『3』余白の時間
『』において、課題を達成し、みんな分からない子は誰かに教えてもらっている。さあ、何をすればいいんだ?そんな状況があります。私は「余白」の時間と読んでいます。こうした「余白」の時間をどう過ごさせるかが、大きな問題点としてあがっていました。
今までは、プリントやドリルで追加課題を与えていました。しかし、これは「個」の学習になってしまい、「自分が課題を達成したからいいや」などといった思考に陥ってしまいます。
では、どうするか?
①振り返りシートを用意する。
②ワークシートにサイン欄を大量に用意する。
この2つが、現時点での最適解です。
では、今日の授業の様子とともに、具体的に書いていきます。
今、3年生の算数の授業をさせてもらっているので、算数を例にします。今日は「小数の足し算」をしました。
0.3+0.5 などの問題なので、平易に解ける子どもがクラスの6割以上いるのではないかと予想しました。
当然ですが、そういった平易な内容であればあるほど、「余白の時間」は生まれやすくなります。
まずは、『』の前に ①振り返りシート で「振り返る」ということを予告しておきました。すると、自分の「余白の時間」の過ごし方にプレッシャーが生じます。
さらに、最初の語りで
「課題を達成して、分からない人は教えてくれている。この状況をどうする?どうするのが一番いいかな?」
と、子どもたちに「余白の時間」の存在を示し、そこでの過ごし方を子どもたちの中で決めさせます。自分たちで決めたからからこそ、責任が生じ、ルールを守り合います。
そして、今日は、ほぼ誘導尋問のような質問に「問題を作って、みんなで解き合う!」という、100億点満点の回答があがり、クラスは「いいねー」「あり!」などの賛同の声がたくさん。
そうなるとわかっていた、というより、僕もそうしてもらいたかったので(笑)、予め作っておいた、②大量のサイン欄を用意したワークシートの登場です。
「課題を達成して、教える人がいない時は、自分で作った問題を解いてもらってね!そしたら、サインを貰ってください!」と、あくまで余白の時間の過ごし方であることを忠告しました。
さて、『』開始です。時間は30分ほど。
予想通り、6.7割が次々と課題を達成し、ネームプレートが次々と達成の欄に移動していきます。
多くの子が「余白の時間」となり、問題を自作し、サインを貰いあっています。いつもは遊んだらしている子たちがサイン集めに勤しんでいます。
残り10分ほどになり、未達成者が2名となりました。計算が早くはない子、本当に算数が苦手な子が残っています。
残り5分。前者はなんとか解き終わり、後者の1人だけとなってしまいました。その子は、自分から「わからないから教えて」ということができず、自分の机に座ったままでいます。
「あ〜 残り時間少なくなってきたな〜」と全体に声かけ。
すると、「ほんまや、やばい!全員達成しなあかんのに!」と一人の男の子が動きました。最後の一人の子の方へ行き、残り2分ほどでネームプレートが全員移動されました。
今日の『』はこんな感じで終わりました。
振り返りでは、全員達成できたこと、状況に気付けた男の子をしっかりと褒めました。
①振り返りシート では、「今日の勉強がわかったかどうか?」を4段階、「全員達成に全力を尽くせたか?」否かを聞きました。
んー まだまだ課題がありますよね。
①振り返りシートはかなり良かった。自分の行動を見つめ直すのは大切なことですし、教師もクラスの理解度を把握できます。継続します。
問題は、②の大量サイン欄です。「余白の時間」の過ごし方問題には大変効果的であったものの、見捨てさせる道具になりかけていました。
結局、追加課題のプリントを解いているのと似ているというか。「自作問題の解き合い」は個に限りなく近い協働のように見えました。
やはり、わからない子が「わからないから教えて」とステップを必然的に踏まなければならないような仕組みを作らなければいけないのかな、と。
長くなりましたが、今日はこんな感じでした。いつもこの長さを書くのは大変なので、次回からはもっとコンパクトにする努力をしてみます。
いやー 悩むのが楽しいです。これが自分のクラスだったら、もっと楽しいんだろうな。
おやすみなさい。